〈extra activities〉THIRD PARTY “Survival Dance” Archives

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金賞を受賞したコンペ形式の展覧会ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校 最終選抜展「サードパーティ」での新井健出展作品「Survival Dance」のアーカイブを公開です。

以下、作品ステイトメントも合わせてお読み下さい。

 

「Survival Dance」

レーザー放つダンスフロア/青山蜂が最初のハコだった
その蜂が、捕まった/10ルクス以下のライト/首を振るだけでアウトな制度/22years夜を照らした看板が消灯
視聴率稼ぎ丸出しのメディア/日本、法律、警察に怒りが湧いた/築いてきた居場所が奪われた/故郷をひとつ失ったようだ

無害な街、消えていく価値/工事現場に積もる瓦礫/いつの間にかまっさらな土地
広い領土が必要か/スラムはスラムにあるべきか/エリアを狭め掃除する意味は
明るい・家族計画/緑あふれる・都市計画/ニーマルニーマルオリンピックってか/人目を気にしたただのギミック
そんなに明るい場所が好きか/光が昼が正義なのか

愛や恐怖、危険に満ちた物語/それらはたいてい夜・暗闇・影を好む
未来型ロボットも/暗くて狭い押入れを好む
路上に彷徨う観光客/たまには弾けたい労働者/孤独に篭るアーティスト
誰もが出会い、踊り明かす/当たり前の権利、奪う実情
嘘で塗り替える路地裏の景色/納得いかないそんなやり口

さあ生き残るために踊り続けよう/闇に瞬く光の中で
権力が奏でる騒音じゃなくて/みんなで歌うアンセムの中で

 

_「Survival Dance」について

「Survival Dance」は、僕がいつも表現活動の場としていた、クラブ・青山蜂が摘発されたことをきっかけに、自分や渋谷の街、日本の現在・未来について考察した作品です。

青山蜂が摘発された2018年1月28日から、新芸術校の最終選抜展の制作の一ヶ月間、渋谷の特別遊興地区から外されたエリアを日々歩いていると、オリンピックに向け再開発が進み、作業員にボム(グラフィティのアーティストが壁に書くサイン)やステッカーが剥がされ、白く塗りかえられていく光景に出くわしました。また、大きな工事現場は中が見えない白い壁に囲まれ、クリーンな光景が渋谷の至る所に広がっています。

そのとき僕のなかで、すてられていく街の一部が、風営法によって搾取されていく蜂と重なり、しめつけられる思いと同時に、いわれもないニュースに怒りを覚えました。この状況をかんがみて、今後のあり方を模索しながら、改善運動以上に、僕のアンサーとして作品化することを試みています。

作品は、クリーンな工事現場をイメージした壁に、街の隅に捨てられていたのを拾い集めた看板や実際グラフィティーライターに描いてもらったボムを掲示し、普段クラブでの演出として使用しているレーザーで、消え去ってしまう、あとの残らないボムを会場へ投影、また渋谷の街へ投影した空想のボムを映像化、渋谷で削られていくストリートと青山蜂に至るまでの道のりを経験できるものとして再構築しました。

内部は青山蜂で実際に摘発の対象となった3Fをイメージし、営業停止中の青山蜂の看板を実際に持ち込んでいます。DJブース的なインスタレーションは、青山蜂で実際に演出していたフロアの光景と音楽で、営業できない青山蜂の前で、虚しくポーズしている自分を、踊らせることを体感してもらうイメージです。
作品全体にも言える事ですが、風営法で禁止された要素である、狭さや明るさ、踊らせることのあいまいな境界線を落とし込みました。

僕はこの事件をきっかけに、渋谷や街、メディアの見方がガラリと変わりました。このことを想像して作品を見ていただきたいです。
そして現代美術とクラブカルチャー、どちらの領分でもサバイブしたい、青山蜂や表現の場を守っていきたい、と考えています。

新井健